弊社では「第4世代メカニズム」と称しています。
1)機構と回転制御方式
弊社では回転制御方式の違いを以下のように分類しています。
第1世代 | 自転回転数と公転回転数の比が一定であり、回転数も一定の固定回転方式 |
---|---|
第2世代 | 自転回転数と公転回転数の比が一定であり、この比を保ちながらインバータ等で公転回転数を変更して駆動する回転方式 |
第3世代 | 自転回転数と公転回転数は各々独立して設定可能であるが、自転回転数の最大値が公転回転数と一定の比で制限される回転方式 |
第4世代 | 自転回転数と公転回転数が各々独立して設定可能な回転制御方式 材料に最適な撹拌・分散・脱泡条件が設定可能 |
2)自転・公転独立可変速運転の意義
少容量の撹拌であれば固定回転数の第1世代ミキサーでも撹拌できる材料も、撹拌容量が多くなると次第に上手く処理できず、自転/公転=一定でこれをインバータ等で変動させる第2世代ミキサーで処理するのが望ましくなります。更に数百cc以上の容量や多種多様な材料になると自転・公転が独立で各々可変速可能な第4世代ミキサーが必要となります。
第4世代ミキサーが必要な理由
以下の運転条件が最適な状態になる撹拌材料が
あるとします。(青線)
自転回転数:X 回転(rpm)
公転回転数:Y 回転(rpm)
運転時間:t 分間
撹拌摩擦熱による材料の温度上昇
自転/公転=一定の第2世代のミキサーでは、自転回転数を X に合わせると公転回転数が Y’ になってしまい、エネルギー E1 が無駄になり撹拌材料が撹拌摩擦熱で温度上昇してしまいます。これにより、例えば比重差のある材料の撹拌脱泡の場合、樹脂やスラリーの粘度が低下して比重の重い材料が沈降する恐れがあります。
撹拌脱泡の不足
一方、公転回転数を Y に合わせると今度は自転回転数は X’ になります。そのため自転回転数が不足し撹拌脱泡がうまくいかないケースが発生します。運転時間 t を長くして対応すれば撹拌脱泡ができる様になったとしても、材料の温度が上昇するという問題が発生します。
第4世代メカニズムであれば
第4世代メカニズムであれば、X回転、Y回転での処理が可能になる為、材料に最適な処理条件で運転することができ、余計な撹拌摩擦熱による材料の温度上昇を抑えることができます。
3)まとめ
撹拌する材料はその特性によって最適な自転と公転の回転数は異なります。必要以上の回転数による撹拌は、撹拌熱の上昇だけでなく材料への負担も大きくなり品質への影響も考えられます。
EMEの第4世代メカニズムを搭載した装置であれば、撹拌材料に最適な自転回転数と公転回転数を設定することができます。撹拌不足や撹拌熱の上昇でお困りの際は、ぜひEMEにご相談ください。
(土・日・祝日・年末年始・夏季休暇を除く)